日本マナーマイスター学会の目的                          

本学会はマナーに関する理論的および実践的研究を行い、かつ関連団体、諸機関との連絡を図り、マナー教育の健全な発展を期することを目的とします。

1.日本のしきたり、礼儀作法の理論的体系化

  1. 「日本のしきたり研究部会」にて研究
    日本人としての暮らしのなかで欠かせない礼儀作法や冠婚葬祭時のしきたりに加え、日本の神話、伝統文化、二十四節気、年中行事におけるしきたりなどを研究。

    門松の飾り方、飾る期間にもしきたりがある

    初詣など神社参拝時、手水舎での清め方、しきたりは?
     
  2. 衣紋道(えもんどう)等の文献研究
    衣紋道とは、装束の着付けの方法のこと。平安中期までの装束は緩やかなフォルムのゆったりしたもの(なれ装束)で、特別な決まりはなかった。平安末期に源有仁が鳥羽天皇とともに威儀正しい装束を体系化したのが始まり。生地を厚くしたり、糊をきかせたりすることで、かっちりした姿(こわ装束)となる。


    女性の衣紋道の代表的な装束が十二単
             
  3. 二十四節気の移り変わり
    二十四節気とは、太陰暦の日付と季節を一致させるために考案されたもの。1年を二十四等分し、その区切られた期間に季節の節目を示す名称を付している。現在でも、季節の移り変わりを表す言葉として用いられる。
    【春】
    立春(りっしゅん)雨水(うすい)啓蟄(けいちつ)春分(しゅんぶん)清明(せいめい)穀雨(こくう)
    【夏】
    立夏(りっか)小満(しょうまん)芒種(ぼうしゅ)夏至(げし)小暑(しょうしょ)大暑(たいしょ)
    【秋】
    立秋(りっしゅう)処暑(しょしょ)白露(はくろ)秋分(しゅうぶん)寒露(かんろ)霜降(そうこう)
    【冬】
    立冬(りっとう)・小雪(しょうせつ)・大雪(たいせつ)・冬至(とうじ)・小寒(しょうかん)・大寒(だいかん)
  4. 礼儀作法のしきたり、慶弔・葬儀・冠婚葬祭のしきたり研究
    日本人として人づきあいを行っていくうえで欠かせない礼儀作法のしきたりを研究。
    美しい所作、挨拶、身だしなみなど礼儀作法のしきたりはもちろん、慶弔・冠婚葬祭時のマナーも。
    【冠】
     人生の節目における通過儀礼。妊娠5カ月時の帯祝いに始まり、 お七夜・お宮参り
     ・お食い初め ・初節句・初誕生・七五三・十三参り・成人式・結婚祝い・厄年・年祝い・長寿の祝い、など
    【婚】
     通過儀礼の中で特に結婚に関すること。婚約・結納・挙式・披露宴・新婚旅行・結婚記念日、など
    【葬】
     人の死に関すること。通夜・葬儀・告別式・法要、など
    【祭】
     四季折々にある年中行事。正月・初詣・七草粥・鏡開き・節分・ひな祭り・お中元・お盆・お月見
     ・お歳暮、など

    通過儀礼のなかでも人生最大のイベント「結婚式」


    ひな祭りなど、「祭」は日本人の暮らしを
    豊かなものにする

2.マナー学に関する国際的理論と実践の研究

「マナー・エチケット研究部会」にて研究
国ごとのマナーの違いを体系化し、世界に通用する礼儀作法を研究。


様々な種類がある海外のパーティー。パーティーの種別により、マナーも異なってくる

3.武士道、騎士道に関する文献研究および現代プロトコールとの関連研究

  1. 「武士道・騎士道研究部会」にて研究
    江戸時代に一般概念化された道徳大系としての武士道から、明治以降、キリスト教信者であり教育者・思想家であった新渡戸稲造が外国に紹介するために書いた『武士道』のなかで論じられた日本人の根幹にある精神(武士道)について研究。さらに、日本の武士道と対比される、西洋の騎士道を研究し、双方を体系化する。



    1860年代にイタリアの写真家フェリーチェ・ベアトにより撮影された武士

    フランスのルーブル美術館に所蔵されている
    ウジェーヌ・ドラクロワ作『騎士の決闘』
  2. プロトコール研究
    騎士道は西洋の社交術に多大な影響を残している。同様に日本人の倫理観の高さは武士道の精神によるものともされる。そのような現代に残る影響を鑑み、武士道・騎士道と現代プロトコールとの関連を研究してゆく。

    溯れば、テーブルマナーにも騎士道の影響が
     

4.礼儀作法とビジネスマナー、現代国際社会における「ビジネス道」研究

  1. 礼儀作法とビジネスマナーとの関連研究
    書類一枚を渡す際にも、片手で渡すより、両手で丁寧に渡す方が相手に好印象を与え、ビジネスが円滑に進んでいくもの。ビジネス界においても非常に重要な礼儀作法とビジネスマナーの関連を研究してゆく。

    書類を渡す際は、両手を添える方がマナーに則っている
  2. 現代国際社会における「ビジネス道」研究
    日本とは異なった宗教・文化・歴史をもった外国では、自ずとマナーも異なってくる。国際化が進み、外国人と仕事をする機会がふえている現在、国によって異なるビジネスマナーを知っておく必要がある。挨拶・握手、名刺交換、紹介の仕方、相手の呼び方など、国際社会でのマナーを研究。


    握手は右手で。手を差し出すのは目上のほうから
    名刺交換は訪問したほうから差し出すのが基本
     

5.若手研究者、若手実務家、諸外国の留学生に対する研究支援

ビジネスマナー道研究部会、プロトコール研究部会において支援 日本にかぎらず、世界全般的にしつけの甘くなってきている現代、若手研究者や若手実務家が礼儀作法やビジネス道を研究しやすい環境を整え、支援してゆく。

6.産官学連携によるマナーを取り巻くインフラ環境の整備

  1. 「親子のマナー研究部会」にて研究
    子供に伝えていくべき、生活に必要な基本的マナーを体系化。各家庭での今時のしつけの仕方、親子のスキンンシップの重要性などを研究。

    親子のスキンシップを密にとり、幼いうちからマナーをしっかり身につけることが重要
  2. 産官学一体となったマナー普及の研究提案
    産業界、行政、学校が連携し、日本においてマナーがより普及していくことを目指す。
  3. 地域社会、学校、幼稚園への礼儀作法普及
    地域社会や学校、幼稚園で親子のマナー教室を開催し、礼儀作法がより普及していくことを目指す。

    幼稚園、小・中・高校もマナーを学ぶ場のひとつ
     
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